高齢者の食生活を守るためのオーラルケア

高齢者の口腔内は年齢の影響もあり、歯周病のリスクが非常に高まっています。歯や歯茎は加齢により機能が衰えていくもので、なかには歯がほとんどない高齢者もいます。
高齢者のオーラルケアは、看護師が先導して進める必要があります。目標は、80歳まで20本以上の歯を残すことです。
8020運動が注目される理由は、20本の歯を残せば食生活を満喫できるためです。10数本になると食べるのが困難な食品や料理が出てくるなど、食生活を楽しんだり栄養を十分に補給したりする観点から不利になります。

口腔環境の変化に気づくためのチェックポイントは口臭です。以前より口臭が強くなったと感じる場合、何らかの問題があります。
口腔環境が悪化しているケースが多いため、正しい歯磨きによるオーラルケアが必要になるでしょう。プラークコントロールをすることが歯周病の進行を抑え、自分の歯を守ることに繋がります。
口臭以外では歯茎もチェックポイントで、全体的に赤紫色に変化したり、ブヨブヨしてきたりしたら歯周病が進行していると考えられます。看護師は高齢者と会話する際、さりげなく口腔状態をチェックしてあげると良いでしょう。
舌が白くなっているようだと舌苔が溜まっている可能性が高く、放置しておくと口臭の原因になります。舌苔は細菌の塊でもあり、誤嚥性肺炎の引き金になるので要注意です。
オーラルケアは歯や歯茎だけでなく舌も含まれるので、舌専用の清掃器具を使用して綺麗にする必要があります。舌苔を除去した後は水分を多めに補給するなどして、再付着を予防することが大事です。